バイトが居着かないコンビニオーナーの悩み
こんにちは、生方吉子（うぶかたよしこ）です。
先日、コンビニを経営している方にお目にかかりました。
複数店舗のオーナーさんですが、バイトを募集しても、なかなか居着かないというお悩みをお持ちでした。
原因は、長く働いている、ひとりの従業員にある、と気づいていらっしゃいますが、その原因と解決策にお困りの様子です。
今回は、人間関係と組織について、生方の思うところを書いておきたいと思います。
減点評価する人、加点評価する人
タイトルにも書きましたが、人が人を評価するとき、減点法なのか、加点法なのかで、相手を見る目が大きく変わります。
減点法はアラ探しにもなりがちです。
生方がおもうに、減点評価をする人は、つねに自分が100点満点なのです。
自分のやり方と比較して、相手のダメなところを見つけては減点していきます。
自分は100点なので、周囲の人々は、自分よりも低い点数になります。
そうやって、自分をトップとした評価を行い、指導のつもりでハラスメントに近い行為に及んでしまうことも。
生方の経験では、減点評価をする人は、意外と多いと感じています。
では、加点評価とは、どのような評価になるのでしょうか。
「人間には誰にでもひとつくらいは良いところがある」と考えて、美点を見いだすことが加点評価の基本ではないでしょうか。
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に登場するお釈迦さまのような気持ちになって、どんなに悪評のある人物でも、「どこかに良いところはあるだろう」と思って相手を見ることが、加点評価につながると思います。
噂話や第三者の人物評を鵜呑みにしないこと、初めて接する人に対して濁りのない目でみること、そして、フラットでニュートラルな評価をすること。
それが、加点評価だと思います。
でも、これが意外と難しい。
人は、様々な情報にさらされていて、なかなかフラットな気持ちになることができないからです。
先に書いたコンビニオーナーさんも、「問題人物に辞めてもらうしかない」とお考えでした。
しかし、本当にそうでしょうか？
生方からのアドバイスは、その当人に対して、次のように告げてはどうでしょうか、というものです。
「新人バイトは、あなたと年齢が離れていて、育った環境も、受けた教育も違う人間であり、異なる人格の持ち主なので、彼らの考えを尊重するところからはじめてみませんか？」
そして、これらのメッセージを受けて指導方法を改善できなければ、最終的にお辞めいただくことも仕方がないかもしれません、とお伝えしました。
「拡大再生産」と「縮小再生産」
「拡大再生産」と「縮小再生産」は、どちらも経済学の用語です。
たぶん、中学校とか高校の社会科で習うと思います。
生方は、この言葉を、親子関係に見ることができる、と常々考えておりました。
世の中的に成功した親を持つ子どもの多くは、親を超えることができない＝「縮小再生産」をよく見かけるためです。
「拡大再生産」はこの逆で、成功した起業家を育てた親や家庭と言えるかもしれません。
親子関係における「縮小再生産」は、減点評価と深く関わっているのではないか、と思います。
子どもは、親と比較され、評価され続けるためです。
以前、このブログで、言葉は呪いだと書きました。
成功した親を持つ子どもは、親からの期待、周囲の大人からの比較など、「親が上で自分は下」と考えやすい環境に置かれがちなのではないでしょうか。
その結果、親を超えられなくなってしまいます。
では、「拡大再生産」の親子関係とは？
起業家や成功する社長には、似たような性質がみられるので、親子関係だけで説明することは難しいかもしれません。
しかし、減点評価を減点評価と受け止めないメンタルの持ち主ではないか、と思えます。
減点評価も、自分にとっての加点評価だと、考えを巡らせることができる人、といえるかも。
そういう精神の持ち主、頭の切り替えができる人が、親を超えて、大きく成長できるのかもしれませんね。
ひとつの欠点でその全人格を推し量ってはならない
生方は、おみくじを引くと、隅々までよく読むようにしています。
先日引いたおみくじに、「ひとつの欠点でその全人格を推し量ってはならない」という教えが書かれていました。
この教えは、減点評価をいましめ、加点評価につとめるように、という考えに通じているように感じます。
しかし、人は、相手の欠点をあげつらってしまいがちです。
「自分だけはそうならないようにしよう」
そんなふうに、日々、生方は戒めております。
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